「あと、ゴリラや日本猿なんかの霊長類でも、自分で抜くことがありますね。いまから二十年前、私か初めてここ(上野動物園)に来たときにメス頭をやっていたハサンの例などは、ユニークでしたね。自分で剃りこみを入れるんですよ。理由はわかりませんが、目の上の部分の毛をいつもきれいに抜くんです。しかも、だんだん剃りこみは深くなっていきました。日本猿は母系社会なので、ハサンの子たちもみんな彼女の手によって剃りこみが入れられていました。その娘もまた、自分の子に剃りこみを入れていました。だから、どの猿がハサンの血を引いているか、ひと目でわかるんです」親子代々引き継がれる剃りこみハゲというのもすごい話だ。これが意志によって定着したものならば、インディアンに見られるモヒカン刈りのように、もはや文化といえるのではないか?「なぜ、ほかの動物たちではなくてインコと猿なんですか?」「自分で抜く場合というのは、動物や鳥類のなかでも比較的知能の高いものによくみられるんです」なるほど、してみると動物界においては、ハゲは知能の証明といえそうだ。やはり、文化的といえそうな気がする。
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