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同じに見えるスーツも実は進化している

スーツを着て仕事をしてきた人と、そうでない人。確かにスーツを着たキャリアが長い人のほうがクラシックスーツを着こなすのに若干有利ではある。しかし、ファッションは常に移ろいゆくものなので、培った知識や経験が絶対ということもない。人によっては昔から身につけている着こなしの流儀が、かえってマイナスに作用する場合だってある。大切なのは、今のスーツとその着こなし方を的確に把握することだ。スーツは昔からずっと変わらないように見えるが、実はそうではない。近年、注文服でも既製服でもスーツを新調した人は、その軽さとやわらかさに気づかなかっただろうか?次に、スーツの仕立ての種類について少しふれたい。大づかみにいうと、スーツは一九九〇年代前半から、かなり変わった。これは、日本のみならず世界的な傾向で、イタリア、特にナポリで仕立てられるスーツの影響を受けて着心地や見た目が変化したのである。どういう変化か?具体的に説明しよう。スーツの発祥は英国・ロンドンのサヴィルロウだ。今でも著名なテーラーが軒を連ねるこの通りに、英国のみならず、世界中の王侯貴族やビジネスで大きな成功を収めた資産家たちが集う。今までスーツの保守本流として君臨してきたサヴィルロウ仕立ては、我々が着ているスーツにも多大な影響をおよぼしてきた。サヴィルロウ仕立ての最大の特徴は、立ち姿が男らしく、凛々しいことだ。ときおり、ニュースで流れる英国王室のチャールズ皇太子のスーツ姿を思い起こしてもらえればイメージできるかと思う。あるいは、ボーラーハットをかぶり、背筋をピンと伸ばし、胸を張って通りを閑歩する英国紳士が、サヴィルロウ仕立ての象徴といえるだろう。

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