「どうしたらそんなにおしゃれになれるんですか?お金がないとだめなんでしょうか」私は身を乗り出して立て続けに聞いていた。センスって生まれつきのものなんですか、訓練すればできるようになりますか、服を買う時、どうやって決めているのですか……。ずいぶんと不躾なことを言う娘だと、きっと思ったことだろう。彼女はちょっと驚いて困ったような表情になり、それから少し微笑んでこう言った。「私、あなたが思っているほど服を持ってはいないのよ。なかなか買わないから。気に入ったものだけしか持ちたくないという気持ちが強いのかもしれない。だから私に限ったことだけではない、とも。「自分らしいものが何なのか知っているんですね」と私は彼女に言った。「でも私はだめなんです。いま着ているこの服も好きだと思うけれど、まったく違うタイプの服も買ってしまうし。統一がとれないんです。バラバラなんです」彼女は黙って少し考えているようだった。そして、服を買うのをしばらくやめてみたら、と言った。私はドキリとした。