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二十一世紀の印刷

父が自信満々に語るとおり、N印刷に揃った職人の技はすさまじかったのだ。数式でも漢文でもアラビア語でも組み上げたのだ。その頃、電算写植のカタログをもった電算写植機販売会社の営業マンがよく会社に顔を見せていた。父はそうしたカタログを見ることはしなかったが、捨てることもなかった。カタログは私のところにまわってきたのだ。父はその当時の活版の技術には自信満々ではあったが、「二十一世紀の印刷」ということに関しては、あるいは疑いをもっていたのかも知れない。少なくとも、二十一世紀を担うべき若い活版職人がまったく育っていないことは、自分でも充分にわかっていたはずだ。電算写植機のカタログには例外なく、美しく明るいオフィスとおぼしいところで電算写植機を操作する美しき女性の写真が載せられていた。薄暗く古くさい活版工場に比べて、それは夢のような場所だった。
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